保有しているだけでは違法とは言い切れない
「個人情報保護法の観点からは、退会後に削除する義務があるわけではなく、削除を強要することは難しい。著作権・肖像権の観点から見ても、保有しているだけでは違法とは言い切れない」
残念ながら「退会後も運営会社がコンテンツを保有している」だけでは、法的な問題はなく、削除を要求することも難しいようだ。
確かに、退会後は画像URLが非公開の情報となるため、通常は画像を表示できない。しかし、逆に言えば「URLさえわかれば、消された写真でも見ることができる」ということだ。
退会前に第三者に画像URLを控えられてしまった場合、インスタでは2週間、マッチングアプリではほぼ無期限に写真が閲覧されてしまう可能性があるうえに、URLの解析、データ流出、ハッキング等によって画像URLが判明する危険性も孕んでいる。
このような懸念を払拭するためには、退会やアカウント削除を行う前に、ネット上に残したくない画像は一つ一つ削除してからアカウント削除や退会を行う必要があるが、そもそも現在はスマホの普及により、スクリーンショットを簡単に撮ることができるため、特別なことをしなくても保存ができてしまうともいえる。
そのため「一瞬でもアップしたものは、誰かに保存されている」という前提でインターネットを利用する、つまり「誰に見られても恥ずかしくない、現実と同じ振る舞いがネット上でも求められる」といえるだろう。
(撮影=野渕恵介)