景気の後退もあって、「おうちご飯」が流行る傾向は相変わらずだ。そんな中、家で使う調味料にも変化の兆しが。2009年の夏、味の素から発売された「GABAN スパイスドレッシング」の売れ行きが好調だ。ドレッシング市場は500億円強とのことだが、その3%を占めることを目指し、発売から10年3月までの8カ月間での目標は10億円。ほぼ達成の見込みだという。
商品名だけでは、従来のドレッシングと差別化されていないように思えるが、違いはどこにあるのだろう?
「“野菜にかけるもの”というのが従来のドレッシングの定義ですが、これは、その枠を超えた商品です。実は、家庭におけるサラダの3割は、肉や魚を加えた“サラダディッシュ”であるという調査結果が。ならば、野菜はもちろん、肉や魚料理にかけて楽しめるような商品を作ろうと」(味の素広報)
GABANといえば、ブラックペッパーのイメージが強い。4種類ある味のうち、一番人気はやっぱり「ガーリックペッパー」。やや強めの味が、野菜だけでなく、タンパク質にも合いそうだ。
ホームページを見ると、消費者が投稿したレシピが満載。豊富な調理アレンジや、プロ顔負けのテーブルコーディネートがされた写真もたくさんある。家食ブームとはいえ、一時は外食で鍛えたであろうセンスも垣間見える。
「鮮やかなパッケージは、食卓にそのまま置いても絵になることを想定しました。テーブルコーディネートも楽しんでもらえれば」(同)
なんといっても、まずは野菜をたっぷり食べて健康にという、野菜コンシャスな世の中だ。そこにちょっと、昨日の残りの肉や魚をのせて、おしゃれな一皿に。味付けはこのドレッシングにお任せすればいいとなれば、消費者のツボにはまったのも納得。