老後に転落するかしないかを分ける決定的な要素

投資なら、積み立てた額が所得から控除されるなどの税メリットを受けながら老後資金づくりができる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や、運用益が非課税になる「つみたてNISA」など、積み立て方式でコツコツと資産形成するのが王道です。利益は不確実ですが、節税としては確実な経済効果が得られます。

退職金を得たときも、リスクの高い投資をしたり、金融機関からの勧誘を十分理解しないまま言いなりになることでも老後破綻の恐れがあります。退職金は焦らず1年程度寝かせて、じっくり冷静に使い方を考えるのも手です。

両親の介護も人生を左右しかねません。介護離職は親子それぞれにとって、経済的にも精神的にも追い詰められる危険性があります。離職することなく、介護保険を利用してプロの知恵や力を借りる、親の家計の範囲でできることを考えるということを基本としましょう。

収入や資産の多寡よりも、年金や介護保険、投資などの知識や判断力。これらが老後に転落するかしないかを分ける決定的な要素です。

(構成=高橋晴美)
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