こうして毎月会員が増えていくと、27カ月(2年3カ月)目に会員数は計算上1億3421万7727人となる。つまり、日本の人口(約1億2000万人)を超えてしまうことになり、それは物理的に不可能なため、破綻するというわけなのだ。

実際に体験すると、冷静な判断ができなくなる

上記の計算をもっと簡単にする方法が指数を使った計算式だ。指数とは、ある数字を何回かけあわせるかを示すもので、数字を2乗、3乗……するときに使う。たとえば、「2³=8」の「3」が指数だ。

会員数は2倍ずつ増えていくので、2カ月目以降は「会員数=2x-1」という式で表せる。「x」は月数、「-1」は創設メンバーの重複分を意味する。2カ月目は「2²-1=4-1=3人」、3カ月目は「2³-1=8-1=7人」……、27カ月目は「2²⁷-1=134,217,728-1=1億3421万7727人」という計算だ。

ねずみ講に引っかかるなんて頭がよくない証拠、自分は絶対に騙されないと思っている人はきっと多いだろう。しかし、振り込め詐欺なども同じだが、そうした心の隙を突いて勧誘はやってくる。いざ実際に体験すると焦ってしまい、冷静な判断ができなくなるものだ。したがって、「なぜありえないのか」を理解しておくことがとても大切になる。

ちなみに、合法であるマルチ商法は何らかの商品を販売する。自分が勧誘したグループの売り上げに対して、一定割合が収入となる。また、収入が得られる範囲が決まっている(孫、ひ孫会員までなど)ため、あとから会員になった人でも販売力があれば上の人を追い抜くことが可能など、商品が流通する限り基本的に破綻しないシステムのため、特定商品取引法で連鎖販売取引と定義されている合法ビジネスなのだ。

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(構成=田之上 信)