開票率1%で「当選確実」を打てるカラクリ

衆議院選挙などの国政選挙では、テレビ局が特番を組んで開票速報を流す。そのときに開票率1%で「当選確実」が出ることがあり、なぜそんな開票率で当確が打てるのか不思議に思う人も少なくないのではないか。

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当確を出すためには、「その候補者が確実に勝っている」というデータによる裏づけが報道機関に必要だ。このデータを得るために行っているのが、出口調査や事前取材、世論調査などだ。

では、どうやって開票率1%の段階で当確と判断しているのか。これは統計学の「区間推定の理論」を使うと理解できる。聞き慣れないかもしれないが、区間推定は正規分布をもとに考える推定の方法だ。ご存じのように正規分布のグラフは、左右対称な山型の曲線をしている。よく偏差値で説明されるが、真ん中の一番高いところ(平均値)が偏差値50になる。

そして、正規分布には次のような性質がある。中央の平均値から左右それぞれに1.96倍した区間内の確率は0.95になる。つまり、山全体を100としたとき、山の両端の0.025分をそれぞれ切り取った残りの大半部分が「確率0.95」を意味するということだ。推定の世界ではこれを「信頼度」といい、「信頼度95%」と表現する。