年賀状販売で日本郵政グループに入る莫大な収入

お年玉付き年賀はがきに話を戻そう。

日本郵政グループの2020年用お年玉付き年賀はがきの発行枚数は23億5千万枚だそうだ。掛け算すると、お年玉付き年賀はがきの売上金額を算出することができる。

63円×23億5千万枚=1480億5千万円

仮にだが、全てが売れたとすると、売り上げ総額は、1480億5千円となる。

この天文学的な数字をどう見るか。

日本郵政グループは、小泉政権以前は、国営だった。郵便局は、民営化されたことで、安っぽい事務服があか抜けた制服に代わり、窓口の応対も丁寧になったような気がしていた。

数年前、かんぽ保険の営業担当の青年が筆者のオフィスにやってきた。筆者のオフィスには、たまに飛び込み営業の若者がやってくる。片言の日本語しか話せない、外国人がやってきたこともある。外資系の証券会社だった。どの企業も最初は、飛び込み営業を強いられるのだろう。

筆者は保険に加入する気持ちはなかったのだが、そのかんぽ保険の営業担当の青年は、何度かオフィスにやってきた。筆者は産業カウンセラーでもある。あまりにも辛そうだったので、少し話を聴いたことがあった。

「ノルマがきつい。先輩のパワハラ、モラハラが酷い」

青年はぼそぼそと話し、

「聴いてもらって、少し気持ちが楽になりました。」

と言って帰っていった。

年末になって、年賀状のノルマがあるとやってきた。年賀状はどこで買っても同じなので、その青年から購入した。

しかし、翌年以降、その青年は筆者のオフィスに姿を現さなくなった。転勤したのか、退職したのか、知るすべもない。

日本郵政グループにできることは何か

奇しくも、2019年12月、日本郵政グループは、かんぽ契約で、法令、社内規定違反が、12836件もあったと調査結果を発表した。

日本郵政グループは民営化されて何がどのように変わったのだろうか。かんぽ保険の担当者たちは、古くて悪い慣習をそのままにし、若手の社員をつぶす構造ができ上がっていったのではないだろうか。

日本郵政の強みは、地域の住人との接触割合が高いことだろう。今あるリソースを活かせば、お年寄りを騙して保険の二重契約をするようなこと以外に、もっと役に立つ事業を思い付くことができるのではないかと思う。

郵便配達員が持っている情報を、地域で暮らしているお年寄りを見守るためのサービスに繋げることはできないのだろうか。お年寄りの身体にGPSをつけて、道に迷って家に帰れなくなることを防ぐサービスというものもあるようだが、そんなデジタル機器ではなく郵便配達員の人海戦術で独居老人の問題に取り組むことができるのではないだろうか。

年賀はがき一枚で、何十年も繋がっているという関係がある。日本郵政グループには、人と人との繋がりを大切にすることで、地域の住民の方の役に立つ事業を展開していってほしいと願ってやまない。

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