一時所得の税金の計算方法
個人が賞金として得たものは、一時所得に該当する。
国税庁のHPには、下記のように書かれている。
1 一時所得とは
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。
(1)懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
計算方法は次の通りだ。
一時所得は、臨時的な収入が一時期に得られるため、特別控除として50万円が設けられている。
一時所得の金額は、次のように算式します。
総収入金額-収入を得るために支出した金額(注)-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
3 税額の計算方法
一時所得は、その所得金額の1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。
他の所得と合計する前に課税額を1/2に圧縮するのも、一時的な収入の税負担を少なくするためだと考えられる。
1等が1本当たっただけでは税金はかからないが…
では、実際に一時所得の計算をしてみよう。
30万円-50万円=-20万円
30万円が一口当たっただけで、他に合算すべき一時所得がないというのであれば-20万円。マイナスは0円と考える。1等の30万円が一口当たっても税金はかからないということになる。
では、2口60万円になった場合はどうだろうか。
で、一時所得の金額は10万円となる。
特等の東京2020オリンピックご招待(開会式又は閉会式ペアチケット)の場合、チケットが1枚30万円相当だとすると、ペアなので、60万円で計算することになるだろう。
同じ「くじ」でも宝くじはいくら当たっても非課税だが、年賀はがきのお年玉くじは、計算のルール上税金がかかる場合があるのだ。
収入を得るために支出した金額として、その年の年賀はがきを購入した総額を差し引きできるのだろうかという質問が出そうだが、どうだろうか。
当選することを願って、年賀状として送らず、自分で手元に持っていたということであれば、お年玉付き年賀はがきの購入費用は、その収入を得るための直接的な出費として認められるかもしれないが、現実的ではないだろう。
最寄りの郵便局に、当選した場合税金を払わなければならないのかどうか問い合わせた人がいる。
「昨年、1等でも税金はかからなかったので、今年もそうだと思いますが……。詳しいことは税務署の方にお問い合わせください」
そんな答えが返ってきたらしい。。
この対応からすると、仮に1等が2本当たった人が郵便局に行ったとしても、親切に税金のことを教えてくれるかどうかは定かでない。
ご自身が当選した場合、どんな計算になるのか。国税庁のHPには、確定申告書作成コーナーが設けられているので、実際の数字を入力して確認してみるとよいだろう。
次に、2.会社あてに送られてきた年賀はがきが当選した場合について考えてみよう。
この場合は、個人のときの「一時所得」のような特別控除はない。その法人の雑収入に計上するのが正しい経理処理といえるだろう。
家族経営の会社で、総務担当は奥さまというような場合、賞金の30万円を会社の収入には計上せず、自分の財布に入れてしまっても、バレないかもしれない。が、日本郵政グループが当選番号のはがきの宛名をリストアップしているとしたらどうだろうか。
お年玉付き年賀はがきの賞金が資料化され、税務調査の対象に選ばれるきっかけになったというのも、おもしろくないだろう。
30万円きちんと、雑収入に計上すべきだ。