一度は、天皇陛下即位を祝い、嵐が奉祝曲を歌っているときの涙。今一度は、「祝賀御列の儀」のパレードで見せた涙であった。
私の想像でしかないが、嵐の「Journey to Harmony」には、青い空の下で夢を語り、愛を語ることが僕の願いというようなフレーズがある。
皇太子との新婚生活を「嵐」の歌詞のような日々にしたいと夢見ていた彼女を待っていたのは、過酷というしかない日々だった。そのことが走馬灯のように頭の中をかけ巡ったのではないか。
祝賀パレードでは、皇太子妃として結婚したときの、皇室という世界について何も知らなかった晴れやかなパレードのことを思い出していたのではないだろうか。
過酷なスケジュールをこなす中、参拝中に“異変”が
朝日新聞デジタル(2019年12月9日20時00分)で斎藤智子記者はこう書いている。
「令和が始まって約8カ月。快復途上の体調を不安視する声もあったが、皇后さまは即位にまつわる一連の行事すべてに出席。式典や地方訪問など過酷なスケジュールをこなした。体力的には大変だっただろうが、かつてない幸せを感じた日々であったはずだ。
行く先々で大勢の人々の笑顔に迎えられ、励ましの声があがった。皇室入り後、雅子さまは歓迎されていないと感じる体験を重ね、一時は自信も健康も失ったとされる。それを何年もかけて克服してきただけに、率直な気持ちが抑えられなくなった結果が、あの涙だったのだろう」
だが、いくつかのメディアで報じられたように、神武天皇の陵墓を参拝した11月27日、雅子皇后に“異変”が起きたという。玉串を持ったまま左右にふらつき、幸い倒れることはなかったが、見守っていた関係者は息をのんだそうだ。
新天皇が誕生して以来、ブームといえるほど人気が沸騰していた雅子皇后だが、ここへきて、宮内庁の見方や週刊誌の論調が変わりつつある。
誕生日の「ご感想」は長文で多岐にわたるものだった
きっかけは、12月9日、雅子皇后の誕生日に発表した「ご感想」にあるようだ。
6日に記者たちに配られるはずだったこの文書が、2日遅れたのである。週刊新潮(12月19日号)は、「『雅子皇后』お誕生日『ご感想』に隠された異変」という特集を組んだが、その中で、さる宮内庁関係者が、「お近くで拝見するとお疲れがたまっていらっしゃるのが窺えます」「御即位1年目のハードスケジュールがたたって一気にご体調が崩れはしまいかと、案じられるところです」と、皇后の身体を心配しているように見せながら、内心では、それ見たことかという思いが言外に滲み出ているようなコメントが出ているのである。