コツは「夜早く寝る」ではなく「朝早く起きる」から始めること

さて、成田家流「たっぷり睡眠受験」を取り入れるなら、コツは「夜早く寝る」ではなく「朝早く起きる」から始めることだ。いきなり早寝しようとしても簡単には寝付けないし、勉強していないことが不安になり、寝ることがストレスになってしまうと奈緒子先生は言う。

「夜の12時に就寝している子であれば、まず手始めに朝6時に起きてみる。あとは授業中の居眠りはもちろん、昼寝もしないように努め、眠気に耐えること。そうすると夜は12時よりも早く眠くなるから、睡眠の習慣がだんだんつきます」(奈緒子先生)

人によってパフォーマンスが上がる睡眠時間は違う。必要な睡眠時間は7時間以上だと理解したうえで、自分に合う睡眠時間を模索することも大切だと奈緒子先生は説く。

浪人時代の平日

「医学部に進みたいなら、睡眠時間の違いでどれだけパフォーマンスが違うかを実験してほしい」と奈緒子先生は言う。

「模試や小テストの結果の違いを比べてみてもいいし、英単語の記憶の定着がどう変わるか、自分で実験してみるのもいい。それで脳の効率の良さを実感できるといいでしょう」

早起き習慣のために「ごほうび」を用意する

早起き習慣のために、起きた後に「ごほうび」を用意するのも効果的だ。

「好きなお菓子を食べる、好きな音楽を聴くなど、面白いことや好きなことを目的に起きるといいですね」(奈緒子先生)

医学部生になり、授業に試験、実習やアルバイトにと日々忙しい佳奈子さんは「医学部に入った後の生活を考えても、医学部志望者は睡眠をたっぷりとる習慣をつけておくべき」と実感しているという。奈緒子先生も「医師は、早朝から勉強している人が多いので、将来を考えても、たっぷり睡眠をとり朝型生活を」と話す。

理想は佳奈子さんのように小さいときから睡眠を通した「脳育て」ができていることだが、「脳はいつからでも育て直せます。高校生からでも大丈夫です」と奈緒子先生は言う。習慣を変えるには1週間程度で諦めたりせず、1〜3カ月くらいは努力したほうがいいそうだ。