さらに、ビジネス上の最終評価で“Good Job!”を使う場合、部下の違和感はさらに強くなります。「『仕事の成果とそれに伴う評価として受け入れられるレベル』はクリアした」という意味、言い換えれば「最低限のレベルは満たしている」という意味に捉えられ、とてもじゃないけれど「ほめられた」とは受け止められないわけです。

“OK”は「悪くはない」程度のニュアンス

多くの日本人は、“OK(okay)”という言葉を「ポジティブな評価」と受け止めているはずです。でも、これも「誤り」と思ったほうがいいでしょう。英語では、“OK(okay)”は“Not so bad”、すなわち「悪くはない」程度の意味で、明らかに“Good Job!”より低い評価になるのです。

たとえば、“It's okay for me.”は誤解を生む可能性がかなり高い表現で、「受け入れられるレベルの下限は超えているので受け入れます」というような意味合いになります。そう、決してほめ言葉ではないわけです。

私の娘がアメリカへ来てまだ間もない当時、髪型を変えた娘の友だちがさっそうと小学校へ登校してきたときのこと。その友だちは娘に「私の新しいヘアスタイル、どう?」と聞いてきました。娘はすてきな髪型だなと思い、“It's okay.”と言いました。すると、友だちはムッとした顔で娘の背中をたたき、“You're so mean!”(まあ、なんて意地悪なの!)と言ったというのです。

娘は、そのとき初めて“OK(okay)”という言葉が持つニュアンスに気づき、怒った友だちに「そういう意味じゃなかったの」と必死に弁解したそうです。我々日本人からすると何とも意外なのですが、このように“It's okay.”は、日常会話でも誤解を招いてしまう表現なので、ましてビジネスの場で使うべきではありません。

では、本当に部下をほめたい場合は何と言えばいいのか。そのようなときは、“Amazing!”、“Tremendous!”、“Excellent!”などといった、「素晴らしい!」という意味を持つポジティブなワードを使えばいいでしょう。