具体的に「行動」をほめることが大事

ほめるときにはやはり、具体的理由を伝えることが大切です。ただ漠然とほめるのではなく、努力が反映できる行動自体を具体的に評価することが重要なのです。そのためにはまず、シンプルに感謝の意を伝えることだけでも十分でしょう。

そんな言葉としては、たとえば“I appreciated~(感謝している具体的行動)”や、世界共通のポジティブワードである“Thank you.”、ほかにも“Keep up the good work.” “You've done a nice job.”などといった表現もよく使われます。

場合によっては、結果に直接現れていなくとも、努力を認めてあげることだけでもうれしいものです。そんなときの例としては、“I noticed~(相手が努力していること).”とか、“I knew~(相手が努力していること).”があります。「あなたの努力にはちゃんと気づいていましたよ」と伝えることは、想像以上に心に響くのです。

また、評価につながる可能性があると示唆することも効果的でしょう。例としては、“I noted~(成果につながった行動)”が挙げられます。

さらに、あくまでポジティブなベクトル前提での励まし方の例としては、

“I'm sure you can do it.”(きっとできるよ)
“You can push yourself harder.”(がんばれ)

などがあります。

なお、ほめた最後には「将来に対する期待」を伝えて終わるのがベターでしょう。

“I'm looking forward to~”(期待している、楽しみにしている)

ポジティブ・フィードバックの国であるアメリカには、じつに多彩なほめ言葉や表現があります。私がアメリカ赴任当初、私の息子と娘の家庭教師に、子どもたちがまだ泳ぎが上手くないということで、水泳の特別指導をしてもらったことがあったのですが、最後に泳ぎができるようになった子どもたちに家庭教師が言った言葉は“Great!! I am proud of you!”。これは「最高だよ、あなたのことを誇りに思う!」という意味になります。