部下に「自分の耳や目」になってもらう方法
太宗・李世民は、有能な人材を登用して能力を発揮させるとともに、彼らの諫言(目上の人の過失を指摘すること)に耳を傾け、常に自己を律していました。
李世民が傑出していたのは、自身が臣下を戒め、指導するばかりではなく、臣下の諫言を喜んで受け入れたことです。臣下の忌憚ない諫言を聞き入れることで、裸の王様にならないように努めたのです。
李世民には多くの側近がいましたが、なかでも、
・魏徴
・房玄齢
・杜如晦
の3人は、優秀な重臣として李世民を補佐しています。
太宗は、世の中の様子を正しく知っておかなければ、国は滅びると考えていました。
けれど、君主という立場がある以上、そう何度も宮中の外に出るわけにはいきません。そこで、臣下たちに、自分の目と耳になるように命じました。
(巻第一 政体第二 第七章)