零細企業は従業員の健康が第一

いや、過剰反応かもしれないことは、重々承知している。ただ、自分も含めて従業員2名という超零細企業を経営しているだけに、風邪やインフルエンザで寝込むような状況は死活問題なのだ。私と唯一の従業員であるY嬢の2人が共に病に倒れてしまったら、業務がまったく進まなくなってしまう。そのため「零細企業は従業員の健康が第一!」と方針を掲げ、本気で実践してきた。

たとえば、2人がそれぞれ仕事場を構えて、「第1オフィス」「第2オフィス」に分かれて業務にあたり、じかに会うのは週1回にしているのも、その一貫である。寝不足だったり、ちょっと体調が芳しくなかったりする際は、気兼ねなく仮眠を取ることもできるし(「つらいときは無理をしない。眠いときは、寝ろ」も弊社の方針のひとつである)、どちらかが風邪をひいたとしても(私は一切ひかないが)感染は避けられるのである。

もちろん、仕事場を別にする一方で、連絡はメールや電話で密に取っているし、グーグルドキュメントといったツール類を活用して、業務に関する確認ごとや連携には支障をきたさない体制にもなっている。別の言い方をするなら「環境や仕組みさえ整えれば、必ずしも同じ仕事場で顔をそろえて働く必要はない」「物理的に離れていても進められる業務はかなり多い」ということだ。

ぜんそくと風邪はまったく異なる。だから言ってほしい

ここで話は、冒頭の「その咳がぜんそくによるものなのであれば、それは言ってください」に戻る。アレルギーによる咳も同じだ。

私の仕事仲間に、一緒のオフィスにいると頻繁に咳をする男性がいた。それこそ夏も含め、何カ月にもわたってである。彼の咳を耳にするたび、「風邪をうつされたらたまったものではない」と思い続けていたのだが、私はまったく風邪をひかない。気になったので、ある時、「風邪、なかなか治りませんね」と尋ねてみた。すると、彼はこう言った。

「オレはぜんそくなんですよ。あれ、初めてお伝えしましたっけ? 咳が常に出てしまうんです」

ぜんそくと風邪はまったく異なるものである。以後、彼がどんなに咳をしようが気にならなくなった。彼が咳をしたところで、そこにウイルスは含まれていないのだから、私も風邪をひくわけがなかったのである。

同様のことでは、マスクを着けている人が「実はアレルギー性鼻炎なんです」と教えてくれたり、「自分が風邪をひかないよう、予防の意味でマスクをしています」と言ってくれたりすると、非常に安心できる。