経済や外交で成果を上げ、大阪の成長にも寄与してくれたが
森友学園・加計学園問題も、それ自体はたいした問題ではない。「こんなことを一年中、国会で議論するな!」「もっと大事な議論があるだろ!」という批判も多かった。しかし、僕は記録の廃棄や公文書の改ざんは国家を揺るがすほどの大問題だと主張し続けたが、やはり「桜を見る会」問題でも同じことが起きてしまった。
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これらの疑惑において、どれもこれも不正は裏付けられていない。
たしかに不適切なところはあっただろう。しかしそれらは情報を全て開示した上で、安倍政権がきちんと釈明すれば済む問題ばかりだ。
事実・情報をすべて明らかにした上で安倍政権が釈明する際には、野党やメディア、そして世間から猛批判を食らう場合があるかもしれない。それでもその批判に耐えながら、説明、釈明し続けるのが政権の責任だ。
それを「記録は廃棄し、一切存在しない」と答えるのは、民主国家としては最悪の対応だし、それは一国民として非常に恐怖を覚える。
安倍政治について、僕は基本的に賛成だ。今の日本の経済の状況では安倍政治を全否定する必要も理由もない。さらに国際政治の場において、日本の首相がここまで存在感を発揮したことがかつてあっただろうか。訪日外国人観光客が増大したのはビザ要件を緩和したことが最大の要因だし、外国人労働者拡大の道筋も付けた。激しい反発が予想された安全保障法制の制定や特定秘密保護法の制定。このことによって日米同盟が強固になったことは間違いない。
大阪にとっては、2015年大阪万博の開催決定、そしてカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致のための法律制定に安倍政権が最大限の力を貸してくれた。その他、大阪の中心部「うめきた」の大規模再開発、「うめきた」と関空を結ぶ鉄道「なにわ筋線」の事業決定、高速道路「淀川左岸線延伸部」の事業決定、リニアモーターカーの名古屋・大阪間の開通時期の8年前倒しなどなどにも多大な力を貸してくれた。
もちろん地方分権や既得権打破の規制改革の推進状況などには不満もある。しかし政治には100%完璧なものはない。最後は与党と野党の比較優位の選択になる。どちらの政治の方がよりましかの選択だ。
そんな判断の中で、僕は安倍政治に基本的に賛成だが、この「記録は廃棄した」「記録は復元できない」という対応が繰り返されることには、大反対だ。
というのは、権力を保有する政府組織が、情報を隠す・廃棄することが常態化すると、それは政府が国民の自由・権利・財産、究極的には命までも奪うことにつながっていく危険があるからだ。
ロシア、北朝鮮、中国、その他強権的、独裁的な政治・政府だと言われている国々を見て欲しい。どこもかしこも政府組織は情報を全て残さないし、開示しない。
今世界のスポーツ界を揺るがしている、ロシアの国ぐるみのドーピング問題。これも信じられないくらいのデータ改ざんをロシアは国家的にやっていたらしい。
そう言えば戦前の日本政府は、太平洋戦争に負けた後、マッカーサー率いるGHQが日本に乗り込んでくる前に、必死になって記録類を焼却処分したという。
民主国家として成熟しておらず、強権的・独裁的である政治・政府にとっては、情報の秘匿・廃棄は必要不可欠なことだし、裏を返せば、情報の公開は、政治・政府が強権的・独裁的になることを防ぐ重要な武器になる。
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