野党はシュレッダーの前なんかに押し掛けている場合か!
最近話題になった「チェルノブイリ」という全5話のドラマを先日観た。あのチェルノブイリ原発の事故の様子をリアルにドラマ化したものだ。
このドラマを観た多くの人は、原発事故の恐ろしさをリアルに感じたと感想を述べている。それは当然のことだ。
でも僕が最も恐ろしいと感じたのは、情報を隠す旧ソ連の政府組織の体質についてだった。
チェルノブイリ原発に使われていた黒鉛炉については、その欠陥がすでに科学者によって認識され論文になっていた。ところがその論文の肝心なところは、旧ソ連国家によってすべて削除された。資料館に保存されている論文の該当ページも破られていた。
そのことによって、黒鉛炉の欠陥が原発運転技術者たちに共有されず、結果としてあのような大事故が起こってしまった。
いとも簡単に情報を隠し廃棄するという政府組織は、独裁・強権政府を生む土壌になるし、国民に多大な犠牲を与える道を歩む。
「桜を見る会」の招待名簿は、そんなに大した情報でもない。だからそれが隠され、廃棄されたことで、日本という国が転覆することはないだろう。
しかし、今、日本政府組織は、情報を隠すこと・記録を廃棄することに、物凄い罪悪感を覚えることのない組織体質になってしまっていると思う。そしてそれを許してきたのは安倍政権ではないか。そこが僕の最も危惧するところだ。
(略)
そして野党にとっては、政府による記録の廃棄ということがどれだけ国民にとって恐ろしいかを国民に訴えかけることが国民の支持を得ていくポイントになる。その「訴えかけ方」に全ての知恵と全精力を注がなければならない。テレビカメラに映りたいのか、あんな大人数でシュレッダーの前に押し掛けてる場合じゃないっていうの!
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※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.179(12月10日配信)の本論を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【桜を見る会問題(3)】危機管理対応でぐらつく安倍政権! これが事態収拾の「模範解答」だ》特集です。