空いた時間である「ヒマ」をどう使うか

では空いた時間である「ヒマ」をどう使うか、新しく生まれる仕事とは一体何なのか、だ。

中村伊知哉『超ヒマ社会をつくる』(ヨシモトブックス)

「私たちは長い間、仕事とは“報酬を得るための苦行”と自分自身に言い聞かせてきました。でもAIが仕事を代替してくれるなら、これまでの苦行からは解放されるわけです。それならば、やりたいことを見つけて、それを仕事にすればいい。娯楽やスポーツ、芸術活動や創作活動、勉強や学習でもいい。今後はもしかしたら、周りから見れば遊んでいるような働き方が生まれてくるかもしれません」

そんな時代に生き残るには「変化を面白がる」好奇心や適応力が不可欠だ。自分が持つ時間とスキルを設計し直し、働くこと以外の生き方を見つけることが求められる。

日本はAI開発に後れを取ったとみる向きもあるが、中村氏は「日本はAI利用大国を目指すべき」と訴えかける。

「AI時代の到来など想像がつかない」という人は、同氏に言わせれば「想像しようとしていないだけ」だ。今こそ「想像して創造する」またとないチャンス。未来への不安が頭をもたげる、でも、どうしていいかわからないという人こそ、ご一読あれ。

中村伊知哉
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授
京都大学経済学部卒。2020年4月、情報経営イノベーション専門職大学学長に就任予定。
(撮影=石橋素幸)
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