「日本酒は悪酔いする」というイメージ

理由その2:日本酒はまずい

昔、一気飲みさせられ嫌な思いをした、ひどく悪酔いした。日本酒と聞けばこう答える人が多い。これにはいくつか理由がある。

酒の品質にばらつきがあったり、保存管理が悪く劣化した酒を提供していた店があったりしたこと。雑菌だらけの酒燗器のおかんは体にも悪かった。

また、戦後コメ不足の際に生み出された、醸造アルコールにブドウ糖や水あめなどの糖類、乳酸やコハク酸などの酸味料、そしてグルタミン酸ソーダを調合して造った三倍醸造酒がまだ流通しており、それを多量に飲んで気持ちが悪くなることも多かった。

逆に、70年代よりフルーティーで冷酒にぴったりの良質の吟醸酒が出回り始め、口当たりの良さで許容量以上に飲んでしまったこともその理由といえる。これは酒の質のせいではないが。さらに、一気飲みや罰ゲームで無理やり飲まされる当時の飲酒文化も日本酒に悪酔いイメージをつけてしまった一因だろう。

理由その3:日本酒はおじさんの酒、ダサい酒

ワインは女性ファンを取り込み消費拡大路線へと成功したが、日本酒はどうしても、男の酒、おじさんの酒、酔っぱらうための酒のイメージが強い。

最近でこそ女性の一人飲みや女性歓迎の居酒屋も増えたが、一昔前は、飲み屋といえばおじさんばかりだったし、なかには「女性入店禁止」などという日本酒居酒屋もあったほど。おじさん同士でクダを巻き、酔いつぶれてしまう姿は、女性から敬遠されるばかりでなく、若い男性をも遠ざけてしまう雰囲気が日本酒にはある。

「日本酒はダイエットの敵」という間違ったイメージ

理由その4:日本酒は太る、体に悪い

「酒は飲みたいが日本酒は太るでしょ?」「医者から止められている」という声も多い。高血圧、動脈硬化、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病に日本酒は大敵と思われているのだ。

また、アルコールのカロリーや日本酒の糖分がダイエットの敵とも思われている。たしかに日本酒はほかの酒より含まれる糖分の量がやや多い。

とはいえその量はわずかで、生活習慣病に影響するほどのものではないし、酒よりもおつまみや飲んだ後のラーメンで太ることをダイエッターにはもっと知ってもらわねばならないのだが、日本酒には、どうしてもそういったイメージが付きまとう。

もちろん、飲みすぎはもってのほかだが、適量飲酒はかえって健康効果があるし、昔から日本酒は百薬の長と言われてきた。しかし日本酒はどうしても体に悪い飲み物と意識されてしまっている。