「公務員半減」発言の真意はなにか
ユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が日経ビジネスのインタビューに答えて「このままでは日本は滅びる」と危機感をあらわにしている。(柳井正氏の怒り 「このままでは日本は滅びる」/2019年10月9日)
「まずは国の歳出を半分にして、公務員などの人員数も半分にする。それを2年間で実行するぐらいの荒療治をしないと。今の延長線上では、この国は滅びます」というのだ。歳出半減、公務員半減というのは、おそらく、実際に半減するべきだという具体的な話ではなく、荒療治によって、もっと「官」の部門を効率化しないと日本は成長しない、という意味に解するべきだろう。
だが、公務員半減という言葉が刺激的だった故に、日本の公務員は世界的に見て多くはない、半減は暴論だといった批判の声が上がっている。確かに、雇用者に占める一般政府雇用者の比率は、日本は5.9%で、OECD諸国の平均の18.1%を大きく下回り、公務員比率は突出して低いというデータもある。
日本の公務員数は、人事院によると2017年度で332万3000人。厚生労働省の労働力調査によると雇用者数は6000万人だから、概ね数字としては正しい。ただ、雇用者のうち正規雇用者は3500万人で、常勤者が多い公務員の数を、多いと感じる庶民感覚はあながち誤りとは言えない。