「デフレが20年以上続く国があるのか」って総理に聞いたら「ございません」とおっしゃってね。そりゃそうや、どの国も成長している。僕の政策では「日本がギリシャになる」なんてでたらめな指摘も受けますが、ユーロと円では、通貨の独自性が全然違う。こちらは日本銀行というものがあるんだから、最終的に日本円が払えなくなることはありません。

写真=AFLO(左)、時事通信フォト(右)
菅義偉官房長官に激しく質問をぶつけ続ける望月氏。一挙手一投足が国民に注目される。半生を書いた自著の『新聞記者』は、映画化され、大ヒットした。

【望月】まだまだ財政出動が足りないし、しているように見せて、していないじゃないかと。

【山本】そういうことです。ほかにもですね、参議院調査情報担当室というところが、消費税を廃止し、20兆円以上のものまでは国債の発行で賄うという前提で、シミュレーションをしてもらったんです。そしたら初年度は単価が5%落ちるんですよ。でもそこから物価は上がっていくんですね。これは多分いろいろものが売れて、経済も成長していくということ。

消費税をやめて、3年目でインフレ率がピークに来る。これでも1.67%なんです。そこから先はまた下がっていくんです。下がっていくということは、消費税を廃止にするだけではなく、それ以外の財政出動をしていかないと、ほかの当たり前のように成長しているような一般的な国、先進国のいろんな国と同じような成長率というのはつくり出せないんですね。財政出動、まだまだ全然行けるぜ、という話なんです。

【望月】しかも、シミュレーションでここまでしっかり出せているということは、政府もわかっている。

【山本】そう。これ以上借金してどうするんだという批判もありますが、借金の額の問題ではないのですよ。

尊敬する人は小沢一郎さん

【望月】太郎さんが人間として、または政治家として尊敬している方はいらっしゃいますか?

時事通信フォト=写真
「原発問題が原点」と語る山本氏。メディアが参議院選挙期間中、れいわ新選組の取材を自主規制するなか、「お金の話」も織り交ぜ、多くの心を動かした。

【山本】この世界に入ってからということだったら、最初に委員会でご一緒した共産党の山下芳生さん。私が陛下にお手紙を渡した数日後の委員会で、自民党の佐藤ゆかりさんが私から質問権を無期限にはく奪しようとしたんです。でも山下さんは「彼がそういう行動に出たことと、委員会の質問権というのは全く別。これは議員としての役割だから、担保されなければならない」と。

なるほど、私に対して何か思いがあるわけではないのに、議員としての権利を守るために戦うという人もいるんだなと思いました。あと、質問の仕方ですね。すごくスマートにぶったたきにいくんですよ。

それと、国民民主党の森裕子さん。森さんは11年5月の文部科学省前で行った放射線量年間20ミリシーベルトへの抗議行動に駆けつけて、抗議に参加していた福島のお母さんたちを応援したんですよ。当時政府側、というか与党側の人間だったのに。

こういうことをする人って、今はいないじゃないですか。尊敬する人といえば小沢一郎さんもそう。自分の政治生命を終わらせようとした昔の同僚議員のことも恨まない。政権交代のために手をつなぐ。すごいなと思いますね。