市場価値を高める5つの力
もちろん、社内評価を大事にするのは前提としてありますが、それだけを基準に考えてしまうと、“井の中の蛙”になってしまいます。働くうえでは、上司の評価や会社組織からの評価よりも「自分に対する市場からの評価」に重きを置くことが大切です。
会社の評価は上司にゴマをすれば上がるかもしれませんが、市場からの評価はゴマをすっても上がりません。もちろん、自分のチャンスを掴むためのゴマすりは必要ですが、本質的には「自分で市場からの評価を上げていく」ことが重要です。
そして、この「市場からの評価」は「自分の生産性を高めること」で上がっていくと、僕は考えています。
生産性とは、「会社の業績を伸ばすための本質を見極めて、効率的に行動する力」を指し、5つの要素に分解することができます。
【市場価値(=生産性)を高める5つの力】
②構造的に物事を捉える力
③物事を俯瞰したうえで、課題を特定する力
④課題に対して仮説を立て、誰にでもわかりやすく話せる力
⑤ ①~④を用いて組織をマネジメントする力
字面だけをみると、とても意識が高いように感じますが、年収1000万円を超える求人の多くに、この5つの要件が求められます。
ホームセンターにいながらでも実力は磨ける
しかし、これらは決して特別な能力ではなく、普段の仕事で誰でも身につけられます。少なくとも僕はホームセンターでレジ打ちをしていた時期に、試行錯誤しながら、生産性――つまり、市場価値を高める5つの能力を磨きました。
この5つの力は、ざっくり要約すると「自分の仕事をちゃんと理解したうえで、どんな人にでもわかりやすく説明できて、行動を伴っている人」を指しています。
少し話は変わりますが、世の中には本当にいろいろな人がいます。自分と同じ業界の人もいれば、まったく違う仕事をしている人や、働いていない人もいます。なかには「インターネットって何?」という人までいるわけです。
今後あなたに求められるのは、この「同じ業界の人」にも「インターネットって何?」という人にも、自分の仕事を「わかりやすく」伝えられる能力です。言い換えるなら、相手が誰であれ、同じ目線に立って物事を伝えられるかどうか、です。
一見、すごく簡単なことのように聞こえますが、やってみると非常に難しい。僕は「小学6年生にもわかるように説明すること」を意識してきましたが、業界や職種が複雑であるほど、この伝える力が問われます。