日本の甘い対応が北朝鮮に付け入る隙を与える

ところで拿捕や立ち入り検査ができると前述したが、日本は大和堆周辺の海域から北朝鮮漁船を退去させるだけで、強行な手段に出たことは一度もない。この日本の甘い対応が、北朝鮮に付け入る隙を与え、その結果、北朝鮮漁船が頻繁に出没するようになっているのだ。

水産庁は沈没後に乗組員の身柄を確保しなかった理由について、「結果的に迎えの漁船が来て退去させることができ、目的は達成された」という見解を示した。水産庁は監視するだけなのだ。

今回の衝突はこれまでの対応のまずさが起因しているのではないか。日本はこのまま甘い対応を続けていく気なのか。

ここで衝突を振り返ってみよう。

漁船を装った不審船は重火器類で武装している可能性も

取締船が北朝鮮の漁船を見つけ、音声と放水によって退去するよう求めた。しかし漁船は急に向きを変えて取締船に接近して左旋回し、取締船の船首と漁船の左舷中央が衝突した。

漁船は全長20メートル以上の鋼船だった。約60人を乗せていただけにそれなりに大きく、しっかりとした船だった。日本海を十分に航海できる船舶だった。水産庁は衝突の直前にこの漁船を撮影し、写真を公開している。

今回は衝突20分後に沈没したというが、北朝鮮漁船のなかには故意に取締船に接触させたり、石を投げつけたりして逃走するケースがある。狂暴化している。

漁船を装った不審船は重火器類で武装している可能性が高く、武器のない取締船では危険で対応できない。水産庁では海保の武装した巡視船に対応を求めるなど慎重に警戒している。