盗聴される人は後ろ暗いところがある人

ここまで、盗聴器の基礎的な知識と設置される傾向を藤井氏に語ってもらったが、実際のところ、われわれの自宅に盗聴器が仕掛けられている可能性というのは、どれほどあるのだろうか。

「私が依頼を受けて自宅をチェックしても、盗聴器が出てくることはほとんどありません。割合でいえば、1%あるかないか。その1%も、プライベートで誰かとトラブルを起こしていたり、恨まれるような生き方を送っていたりする人がほとんどです。善良に生きていれば、盗聴器の被害に遭うことはあまり多くないのではないでしょうか」

とはいえ、可能性がゼロでない以上は、警戒しておくに越したことはない。もし盗聴器を仕掛けられているかもしれないと心配になったら、盗聴器発見機でのセルフ調査か、藤井氏のような発見業者に依頼するべきだろう。

自分で盗聴器を探す場合、藤井氏が勧めるのは盗聴器発見器『BUG CHASER EX』(実勢価格4万6000円)だ。扱いやすく、発見率も上々だという。インターネット通販では1000円程度で入手できる発見器もあるようだが、藤井氏のようなプロからすれば「オモチャ以下のシロモノ」で、まったく使い物にならないという。

自らの個人情報は、自らで守るしかない。インターネットによる個人情報流出が叫ばれて久しいが、今後、インターネットへの注目が高まっていることを逆手に取り、アナログな手段でのアプローチが増えないとも言い切れない。あらゆる角度から備える必要があるだろう。

藤井 正之(ふじい・まさゆき)
東和通信社代表
盗聴コンサルタント。盗聴器の調査を行う「東和通信社」で一般人から企業、政治団体まで年間1000件以上の盗聴相談を受ける。『ラジオライフ』(三才ブックス)で「盗聴器発見日記」を10年以上にわたり連載している。著書に『盗聴の実態―あなたのプライバシーが狙われている!?』(ベストセラーズ)。
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