2世帯住宅の義父母の「おねだり」がエスカレートしてきた
両親への具体的な援助としては、固定電話、スマホ、インターネットの料金はひとつにまとめ、英樹さん夫婦で負担。また、英樹さんの母親は料理が苦手だったため、週に2〜3日は晩ごはんのおかずを差し入れし、土曜日は両親も呼んで、一緒に晩ごはんを食べることにしました。さらに、由香さんは買い物に行くたびに、「ついでに何か買って来ましょうか」と声をかけ、買い物の代行もしていたそうです。
最初は由香さんも気持ちよくやっていたそうですが、そのうち、母親が遠方に住む娘と毎日のように長電話をしていることがわかったり、買い物のときに渡されるお金が足りなくなることがしばしば起きたりするうちに、「これでいいのかな」と疑問を持つようになりました。
差し入れや週末の料理についても「豚肉より牛肉を」「中国産より国産を」「フルーツも食べたい」などと要求が徐々にエスカレートし、食費もぐんぐん上がっていきました。
義父母の誕生日やお年玉などに金品の贈り物を
さらに、関係を良好なものに維持しようという配慮から、両親の誕生日や母の日・父の日、お正月のお年玉と「贈り物」もかなりの額に上っていました。加えて、年末に両親とともに家族旅行をした際も費用は折半でしたが、旅行先の食事代は英樹さんが「うちで出すよ」と由香さんに相談せずに気前よく言い出すことがほとんどでした。
「これはかなりの出費になるのではないか……」
心配になった由香さんですが、家計簿をつけていなかったので実態はよくわかりませんでした。英樹さんの手取り月収は約37万5000円で、ボーナスは年間約170万円と恵まれていたこともあり、たとえ毎月赤字になっても、ボーナスで補塡できるため、「なんとかなっているだろう」と高をくくっていた部分もありました。
こうして1年がたったある日、由香さんは何げなく見た貯金通帳の残高が、数十万円もガクンと減っていたことに気づいたのです。