10年もがいて、やっと落ち着いた
キャリア10周年、24歳のときに岡田准一はこう語っています。
「3、4年働いて、ちょっと仕事がわかってきて、自分のできると思ってることと評価が違ったり、空回りっていうのもすごく早いうちに経験して。16、17ぐらいだとやっぱり実力がないし、余計にこう、あがいてしまって。そういうことを既に10代の頃に経験したんですよね。だから、いまはそういうことがあってよかったって思えるほどラクですしね(※1)」
こう聞くと異世界の話に聞こえてしまうかもしれませんが、色々な人生の通過点が、普通の人よりも早く訪れているというだけで、特別なことではないのかもしれません。8歳から人生を考え、6年後の14歳でチャンスがやってきて、その後10年もがいて、やっと落ち着いたという岡田。大学を卒業して就職する人のイメージで置き換えれば、21歳で就職について考えだし、27歳でチャンスがやってきて、37歳くらいでやっと落ち着く……と年数はそのまま、時間軸だけずらして考えるとしっくりくる感じもします。
むしろ特筆すべきは、「すごい世界の一員になったことに慢心せずに、周囲を基準とすることで、努力が促された」ということかもしれません。
14歳で、いきなりデビューしてしまう
14歳でジャニーズ事務所に入所、その直後にV6としてデビュー。当時、24歳でジャニーズ最年長デビュー記録を更新した坂本昌行や長野博といった年長組や、当時のジャニーズJr.で人気を二分していた森田剛や三宅健と同じグループに入り、いきなりのデビューです。三宅いわく「ドライヤーぐらいしか荷物がなくて」「友達が寄せ書きしてくれたラグビーボールを小脇に抱えて」大阪から、東京の合宿所にやってきたような状態です(※5)。
ジュニア期間がほぼない中でのデビューは、他人から見れば大チャンスではありますが、突然のデビューに、当時はついていけないことや怒られたことも多くあったようで、そのためか、岡田准一の人生には、「いきなりデビューしてしまった」という事実が重くのしかかっています。