ベンソンとベイムがとくに勧めるのは、彼らがリラクセーション反応と呼ぶものを活性化する「瞑想」である。必要なのは静かな場所と10~20分の時間だけだ。その時間に一つの言葉なり、発声音なり、フレーズなり、動作なりを繰り返す。日常的な考えが入り込んできたら、穏やかに無視して、改めて反復活動に集中しよう。
リラクセーション反応は、日常的な思考を断ち切ることによって引き出される。闘争・逃走反応を緩和し、新陳代謝を緩やかにし、心拍数や呼吸数を減少させ、血圧を低下させる。実際、ベンソンの最新の研究によると、リラクセーション反応を引き出すことで、ストレスの有害な影響を中和する生理的変化を起こせることが明らかになった。
社員のストレスが高くなりすぎて会社にかかるコストを考えると、「マネジャーは、社員がストレスを緩和し自身のリラクセーション反応を引き出せるような場所を見つけたり、つくる必要がある」とベンソンは言う。
次のようにライフスタイルを少し変えることもストレス抑制の助けになることがある。
十分な睡眠をとる。テレビの前でうたた寝するのは効果がない。活力をよみがえらせる深い眠りが必要だ。「夢を見るのはよいしるしだ」とベイムは言う。
運動する。昼休みに近所を散歩することは、コンピュータの前で急いで昼食をかき込むより生産性を高めてくれる。
果物や野菜をたくさん含んだバランスのよい食事をとる。
否定的な予想は避ける。ベイムが勧めるのは、今日は自分に最善の利益をもたらす日になると思い描くことから1日をスタートさせることだ。非生産的な思考から離れることは、ストレスによる心身のダメージを緩和する助けにもなる。
(翻訳=ディプロマット)