色彩効果を寝具に取り入れるのもいい
そんな色彩効果を寝具に取り入れるのもいいでしょう。一般的には、いわゆる興奮色とよばれる情熱的な赤よりも、青や緑などの心を落ち着かせる色のほうがいいと思います。それから、不安にさせる色は避けましょう。何色を見ると不安になるかは、その人のそれまでの経験によっても違うと思います。自分の経験を振り返って、自分が落ち着ける色を選ぶといいと思います。
僕個人の意見としては、寝具選びでもっとも大切なのは肌触りだと思っています。綿や麻、シルクやポリエステルなど、寝具にはさまざまな素材があります。どの季節に、どの素材の寝具で、どのパジャマで寝ると一番快適に眠れるのか。空調の強さや枕の高さ、音や光の調整など、自分好みの睡眠プロデュースをするのです。
かくいう僕も長年眠りの環境には無頓着でした。しかし仕事柄、地方や海外の宿泊施設を泊まり歩くうちに、寝具によって寝起きの質にかなり差が出ることに気づいたのです。
どうも僕は空調が苦手なようで、夏場も冷房がついていると深い眠りができない。たどり着いた結論は、さっぱりした寝具に上半身裸で空調・扇風機なし、枕はあるメーカーの高反発タイプが最適なようです。
脳は眠っている間に、その日起きた出来事の意味づけをし、情報の整理をし、大切な事柄を記憶しています。つまり睡眠の質こそ仕事のパフォーマンスを決める一大要因といっていい。上質な睡眠を確保するのは、もはや仕事の一部であり、クリエーティブな仕事で成果を上げている人はみな、自分に合った睡眠パターンや環境を確立しているものです。
睡眠に正解はないからこそ、自分でカスタマイズするしかありません。ぜひ試行錯誤してみてください。
▼進化の結果、人間は約100万色を見分けられる
(構成=三浦愛美)