英語はグローバルな世界への扉を開ける鍵

【三宅】最後に読者へのメッセージをお願いします。

三宅 義和『対談(3)!英語は世界を広げる』(プレジデント社)

【西内】僕の英語はごく一般的なスタートラインのところから、エビデンスの力を借りながら自己流で行ってきたというのはあるのですが、正直、学習方法はいろいろあって当然だと思います。ただ、僕がハーバードに留学してつくづく実感したことは、慣れ親しんだ環境を少し飛び出してみるだけでいかに世界が広がるかということです。

原体験でいうと、大学進学のために神戸から東京に来たときに神戸では聞いたことがない職業があることを知って驚きました。「広告代理店のプランナー」とか、「資産運用会社のファンドマネージャー」とか。そういう話を先輩などから聞くだけで刺激になっていたのですが、これがハーバードになると「世界銀行」とか「WHO」(世界保健機関)とか、いままでニュースでしか目にしないキーワードが普通に飛び交うわけです。

日本しか知らないと、世界で起きていることはなんとなく勝手に起きているかのように錯覚しやすいのですが、実際には誰かが細かいプロセスを踏みながら行っていると。そこに気づけたことが大きな学びでした。

【三宅】世界はグローバルにつながっていますからね。

【西内】まさにそうなのです。これはファッションであろうとITであろうと同じで、世界は常に動いているので、ファッショントレンドや技術的なトレンドが日本に上陸するまで待つ必要はないのです。

ミラノやパリ、もしくはシリコンバレーで開催されるようなグローバルなイベントに顔を出したり、SNSをするにしてもグローバルなコミュニティーに所属したりすることで、世界が一気に広がるし、大きなビジネスチャンスにつながったりもしますよね。英語というのはそうしたグローバルな世界の扉を開ける鍵なのだと思います。

西内 啓(にしうち・ひろむ)
統計家、データビークルCPO
東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教、大学病院医療情報ネットワーク研究センター副センター長、ダナファーバー/ハーバードがん研究センター客員研究員を歴任。2014年11月に株式会社データビークルを創業し、代表取締役CPO(製品責任者)を務める。自身のノウハウを活かした拡張アナリティクスツール「dataDiver」などの開発・販売と、官民のデータ活用プロジェクト支援に従事。著書に累計50万部を突破した『統計学が最強の学問である』シリーズのほか、『統計学が日本を救う』(中央公論新社)など。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)アドバイザー。
三宅 義和(みやけ・よしかず)
イーオン代表取締役社長
1951年、岡山県生まれ。大阪大学法学部卒業。85年イーオン入社。人事、社員研修、企業研修などに携わる。その後、教育企画部長、総務部長、イーオン・イースト・ジャパン社長を経て、2014年イーオン社長就任。一般社団法人全国外国語教育振興協会元理事、NPO法人小学校英語指導者認定協議会理事。趣味は、読書、英語音読、ピアノ、合氣道。
(構成=郷 和貴 撮影=原 貴彦)
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