Q.目の乾き、水で洗うべきか?
そのドライアイ、原因は何か?
「目が乾くときには、水で目を洗っていいでしょうか?」「洗眼剤を使うとすっきりするので、日に何度も使うのですが、大丈夫でしょうか?」。これらはちょっと難しい問題です。
花粉やホコリなどによるアレルギーがあって、洗い流すために使うのはよいと思います。しかし、目を洗うと、涙も一緒に洗い流してしまうことになります。涙の中には、感染を予防する成分なども入っているので、涙をあまり洗い流すのはよくないといわれています。また、洗眼剤も、目薬同様、防腐剤が入っているものは、アレルギーを引き起こすことがあるので、できれば避けたほうがよいでしょう。
市販の目薬を1日に何十回も使うのも同様です。せっかくの涙を洗い流してしまうことになり、目の乾きを促進してしまう可能性もあります。涙には目の表面の角膜を保護する役割もあるので、角膜に傷がつきやすくなる可能性もあります。
「目を洗うのはダメ」「目薬をさすのはダメ」とはいいませんが、適当な回数にとどめて、洗い流しすぎたり、目薬や洗眼剤を使いすぎたりしないようにしましょう。
一方で、ドライアイを訴える患者さんは増えています。主な原因は、まばたきの減少や乾燥です。パソコンやスマホの画面を集中して見ていると、まばたきが減ってしまいます。まばたきは涙の分泌を促すので、まばたきをしないと涙が減り、目の表面が乾燥しやすくなります。また、オフィスでは1年中エアコンが効いていて、室内が乾燥していて目も乾きやすくなっています。こうした状況が重なって、ドライアイの人が増えていると考えられます。
涙には、目の乾燥を防ぐだけでなく、細菌やウイルスを殺菌したり、目の表面の角膜に栄養を補給したりする役割もあります。このため、涙が少なくなりドライアイになると、目の表面に傷がつきやすくなり、目が①疲れやすくなる、②痛くなる、③かゆくなる、④ごろごろする、⑤目やにが出る、⑥ものがかすんで見える、⑦充血する、などのさまざまな症状が出ます。
ドライアイを予防するためには、まずは部屋が乾燥しすぎないよう加湿し、できるだけまばたきをするようにします。パソコンの作業やスマホを見るときは、時間を決めて、時々画面を見るのをやめて休憩します。こうした対策は、ドライアイになったときに症状を緩和するのにも役立ちます。