心理的距離を置いて、相手の言葉を「無効化」する
たとえば、「結局選挙で勝つしかないでしょ?」には、「選挙まで黙っていろと? 嫌です」と切り返してみる。相手の土俵に乗せられずに、こちらを自分の土俵に乗せようとする相手のねらいを俯瞰するかたちで切り返せば、相手の呪いの言葉は無効化できるのだ。
もちろん気持ちのうえで呪縛から距離を置くことができても、現実に自由の身になれるわけではない。けれども、まずは自分が相手の「呪いの言葉」の呪縛の中に押し込められ、出口のない息苦しさの中でもがいている、その状態を精神的に脱することが必要だ。そのための切り返しかたが、ここに集められた文例だ。
なお、これらは呪いの言葉から心理的に距離を置くための思考の柔軟体操なのだととらえていただきたい。こういう言葉で実際に相手に切り返した場合には、逆切れされて反撃される恐れもある。その点は注意していただきたい。
上西 充子(うえにし・みつこ)
法政大学 キャリアデザイン学部 教授
1965年、奈良県生まれ。東京大学大学院経済学研究科第二博士課程単位取得中退。日本労働研究機構(現・労働政策研究・研修機構)研究員を経て、法政大学キャリアデザイン学部教授・同大学院キャリアデザイン研究科教授。著書に『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』(旬報社)など。
法政大学 キャリアデザイン学部 教授
1965年、奈良県生まれ。東京大学大学院経済学研究科第二博士課程単位取得中退。日本労働研究機構(現・労働政策研究・研修機構)研究員を経て、法政大学キャリアデザイン学部教授・同大学院キャリアデザイン研究科教授。著書に『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』(旬報社)など。
(写真=iStock.com)