ゲームの局面でリーダーシップが育つ

また、ゲームの局面に応じてすべての選手が声をあげ、身体を張り、自らの意思でよりよい選択をするために、主体性を持ってほかの選手をリードしたりフォローしたりする必要もあります。これには「リーダーシップ」が求められます。

最後に重要なのは、サッカーができることへの「感謝の心」です。サッカーの試合は対戦チームや審判があってはじめて成立します。そういう環境をつくってくれる周囲の人たちへの感謝の気持ちを持つことは、自然と自チームの選手への思いやりにつながります。さまざまな環境に配慮できる姿勢がそうさせるのです。ともに称え合い、相手の長所を尊敬する気持ちが大事であり、それが感謝の気持ちへとつながります。

不確実な時代を生き抜くための力

サッカーをプレーするということは、これらのスキルを磨くということでもあります。そして、これらのスキルこそ、ライフスキルにほかならないのです。

本田圭佑氏や長友佑都氏はサッカースキルだけではなく、人間的にも非常に優れています。どんな状況でも自分の歩むべき道を自ら見つけ、邁進するその姿勢こそ、まさに非常に高度なライフスキルを身につけていることの証拠でしょう。それは、お二人がサッカー選手であることと無縁とは思えません。

先の見えない「不確実な時代」を生き抜くために必要な力、すなわちライフスキルを、多くの子供たちがサッカーを通じて身につけてほしいと願っています。

サカイク
「サッカーと教育」をテーマにしたジュニアサッカーの保護者向けメディア。2010年12月に創刊。「自分で考えるサッカーを子どもたちに。」をスローガンに、子供が心からサッカーを楽しみ主体的に成長できる環境づくりを目指し、子供を見守り、自立を育む親子の関わり方について情報を発信。2016年より日本サッカー協会の「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー制度」メディアパートナーとしても活動している。『サカイク』。
(写真=iStock.com)
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