今の職業の大半は200年前にはなかった
現代は人類の全歴史においても、産業革命と並ぶ一大変革期だといわれています。AIやIoTなどがもたらす一大革命により、ドラスティックに世の中が変わっていくと予想されているのです。この人類がかつて経験したことのない大きな変革により、頭脳労働の仕事までが機械に代替されるといわれています。
では、子供たちが大人になる頃には、社会は失業者であふれているのでしょうか。18世紀からはじまった産業革命を振り返っても自明のことですが、必ずしもそうとはいえないでしょう。それまで人力や動物の力に頼っていたことが、機械の力で代替できるようになったその当時、社会で起きたのは新たな仕事の創出でした。現在、世の中に見られる職業の大半が200年前にはなかったことを思えば、それは間違いないことでしょう。
子供にはガイドブックではなく武器を与えよう
これからの時代にどんな仕事が生まれるのか。現段階でその答えを見つけるのは難しいといわざるを得ません。そのため、「いい大学に行って、いい会社に入ろう」……といって子供を導く時代はもはや過去のものになりました。そもそも親世代の“いい大学”や“いい会社”は、子供たちが大人になる頃にはいい大学でもいい会社でもない可能性もあり得ます。とするならば、親が自身の常識に基づいて子供を導いたところで、それが将来にわたって最適解である可能性はほぼゼロであると見積もっていたほうが健全でしょう。
なにより、そう遠くない将来、親がいなくなったあとの子供たちは、自分の力で考え、行動し、生きていかなければなりません。人生の道標をいつまでも親が示し続けられるものではないのです。親の導きの通りに歩んだとしても、いずれ軌道修正が必要になれば、子供たちは自らの力で新たな道を見つけ出さなければなりません。
そんな子供たちに親が与えられるのは、人生のガイドブックではなく、どんな状況でも生き抜けるための“武器”ではないでしょうか。そして、その武器となり得るのがライフスキルなのです。