好きな洋楽を聴きながら口ずさむ

イーオン社長の三宅義和氏(左)と俳優の鈴木亮平氏。スーツ32万5000円~、シャツ5万4000円~(ともにオーダー価格・税抜き)、ネクタイ〔参考商品〕以上すべてジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)

【三宅】英語でYouTubeをご覧になるのももはや日常ですか?

【鈴木】よく観ています。本当に便利ですよね。自分が興味のある分野のことを楽しく知ることができて、しかも英単語が増やすことができますから。たとえば僕は世界遺産に関する動画をよく観ますが、日本語の教科書や本で仕入れた情報だと固有名詞がカタカナ表記なので、知識としてあっても英語の会話のなかで使えないことがあります。でも、英語の動画を観ていると「あ、あの地名って英語だとこう発音するんだ」ということがわかるので、ものすごく役に立っています。

あとは洋楽が好きなので、好きな曲の歌詞をまるまる覚えて、一緒に口ずさむことは昔からよく行っています。楽しいですし、シャドーイングの練習にもなるので。いまでもつい英語で口が自然と動いてしまうのは、もしかしたらその習慣のせいかもしれません。

「けんかができる英語」を目指して

【三宅】好きなものから英語を学ぶというのは大変いいことですよね。また、鈴木さんの留学時代のように、必要に迫られる状況に身を置くことが一番の上達方法かもしれません。

【鈴木】絶対にそう思います。僕も大使館の方や日本企業の方など、ビジネスで英語を日常的に使われている方とお会いする機会がよくありますが、帰国子女の方をのぞけば完璧に英語を操られている方はほとんどおられません。でも、伝えたいことを確実に伝えられるし、聞き取れなかったら知ったかぶりをせずにすぐに聞き直しをされます。最後は仕事ができればいいわけですから、それでまったく問題ないのです。

そういう方をみていると、なんというか日本人の英語コンプレックスや「ちゃんとしゃべらないといけない」という先入観のようなものをとうの昔に捨てられている印象があります。それはやはりサバイブする必要に迫られているからなんだろうな、と。

【三宅】たしかにTOEICが500、600点くらいでも、仕事で英語を日常的に使っていらっしゃる方は英語に迫力があります。逆にTOEICで800、900点くらいをとる方でも、英語でけんかしたことがない方などの英語はどうしても迫力に欠けます。

【鈴木】英語でけんかをしたことがあるかどうかはたしかに大きいかもしれないです。ぼくもそこは弱点です。レシートを出してくれないタクシー運転手と戦うくらいのレベルならありますが、ビジネスの現場でハードな交渉をやられている方の英語を聞いていると、発音の良しあしやなどまったく関係なく、素直に「勝てないな」と感じます。

【三宅】日本人のビジネスマンも「けんかできる英語」を目指すという意識が明確になっていれば、習い方もちがってくるかもしれませんね。

【鈴木】本当にそうですね。