初対面の相手に対して覚えておくと便利なフレーズ

イーオン社長の三宅義和氏

【鈴木】最近、時計メーカーさんの仕事でスイスに行って、ディナーパーティーに呼ばれたんです。僕が座ったテーブルは世界各国の女優さんばかりで男性は僕だけ。「うわぁ、これ何しゃべろうかな」と少し焦ったのですが、とりあえず隣の席の女性に話しかけたらチュニジア出身の女優さんだったんです。

【三宅】チュニジアですか?

【鈴木】はい。地中海に面したアフリカ北部の国です。その方も、きっと日本人なら知らないと思ったのか「私はいまエジプトで女優をしていますが生まれはアフリカのチュニジアです。といっても知らないと思いますけど」と謙虚におっしゃって。実は、僕は世界遺産が大好きなのです。その知識を活かして「ああ、チュニジアといえばアルファベットを作ったフェニキア人の土地ですよね。僕もいつかカルタゴに行ってみたいと思っているんです」みたいなことを言ったらその方も驚いていて。

【三宅】それは、驚くでしょうね。

【鈴木】ただ、僕の記憶ちがいであれば、かなり恥ずかしいとも思ったんです。だからそのときは、お決まりのCorrect me if I’m wrong.を使いました。「もし違っていたら言ってね」と。

【三宅】たしかに便利な表現ですね。

【鈴木】覚えておいてよかったなと思いました。

目についた英語を口に出してみる

【三宅】鈴木さんがいま英語の実力を維持するために意識して取り組まれていることはありますか?

【鈴木】昔は友達とランゲージ・エクスチェンジをしていましたが、最近は時間が取れなくなったのでそういう勉強らしいものはできていません。

ただ、これは人によると思いますが、英語に対してそもそも興味がある方、もしくは英語が自分の興味なり夢の手段になっている方の英語力は落ちづらいと思います。たとえば外国旅行が好きな人なら、街中を歩いていても外国っぽいものや外国語で書かれているものが目につきやすいですよね。

【三宅】鈴木さんは目についた英語を読み上げると本に書かれていますが、それもやはり英語に意識が自然と向くからですか?

【鈴木】そうですね。どうしてもアンテナが立ってしまうので、お店の看板などでも、おそらくは飾りで書いてある英語に目がいってしまって、つづりのまちがいに気づいたりすることはよくあります。

あと、英語で独り言を言うことが多いです。いま思っていることを英語で言うとしたらなにがベストなのだろうかと。とくに抽象的な概念を英語で相手に伝わるように説明するのはすごく難しいことです。ですから、日本で取材を受けるときによく聞かれることに対する答えなどを、外国の記者さんからインタビューされている想定で考えてみるということはよくやります。

【三宅】そういう自主トレを日頃からされているのですね。すばらしいです。