コンサル出身で名経営者もいます

もちろん、コンサルタント出身で活躍して、名経営者と評されている方もいます。

ルイス・ガースナーは、ハーバード大学のビジネス・スクールでMBAを取得し、戦略コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社しています。このあたりは「いかにも戦略コンサルタント」という経歴です。

その後、アメリカン・エキスプレス、RJRナビスコのトップを経て、IBMのCEOに就任しています。そして経営状態の思わしくなかったIBMを立て直していきます。結果として、「IBMを立て直した名経営者」と彼は評価されています。その様子は自著「巨象も踊る」に生き生きと描かれています。

ガースナーがIBMでやったことを見ていくと、とても「コンサルタントっぽい」ことをやっています。

彼は、さまざまな情報を収集して、会社の状態を分析していきます。分析した上で、競争に必要な戦略的なポジショニングを定め、その戦略に向けて解決すべき優先課題を設定し、精力的に取り組んでいきます。

まさにコンサルタントの仕事です。本人も「巨象も踊る」の序章でこのように記しています。

「マッキンゼーで学んだことのなかでもっとも大切な点は、企業の基礎を理解するための詳細な手法だ。マッキンゼーは顧客企業の市場、競争上の地位、戦略的な方向の深い分析に徹底してこだわった」

こうした分析的な能力は、ガースナーがMBAで学び、マッキンゼーで経験し高めていった部分なのだと思います。