赤ちゃん猫には2時間おきにミルクを与える
梅田さんには気になる猫がいた。センターから引き取った隻眼の黒猫「ゆん」だ。
【梅田】「引き取った時から片目が見えなかった。風邪で目がつぶれたんだと思います。当初は片目の猫や片足の猫をカフェに入れていいものかどうか悩みました。店に来た人が気持ちが重くなっちゃうんじゃないなと……。でもこういう子たちを皆に見てほしいと思ったんです」
梅田さんの思いが届いたのか、店は盛況だ。休日ともなると平均して70人~80人の客が訪れ、店に笑顔がこぼれる。
深夜0時すぎ。閉店後の店に梅田さんの姿があった。母親のいない赤ちゃん猫に2時間おきにミルクをやるためだった。一通り仕事が終わるとそのまま床にごろり。猫たちと共に、店で寝泊まりをするのもいつものことだ。
猫だけがそばにいてくれた子供時代
思えば、幼いころから常に猫と暮らして来たという梅田さん。両親の関係がうまくいかず、ひとりっ子だった彼のそばにいてくれたのは猫だけだったそうだ。
【梅田】「赤ちゃんの僕がギャーギャー泣いてると、猫がそばにきておっぱいあげておとなしくさせてたらしいんですね。それぐらいずっと猫がいる環境で育ちました」
勤めていた会社を辞め、保護猫カフェ「ねこかつ」を開いたのは2013年のこと。物件探しからリフォームまで全て1人で行い開店にこぎつけた。店名には、「就活」や「婚活」のように、「猫活(猫の保護活動)」という言葉が一般的になってほしいという願いが込められている。