【田原】いま有料と広告のバランスはどれくらいですか?
20年以降は有料会員が主力になりそう
【梅田】だいたい1対1。ただ、有料会員の伸び率が高いので、20年以降は有料会員が主力になりそうです。
【田原】いまテレビが困っていますね。有料じゃなく広告モデルだから、広告料が下がるとダメージが大きい。
【梅田】新しく出てきたネットフリックスは有料課金ベースで、すでに米国最大の動画インフラになっています。その流れを考えると、今後は日本も有料課金モデルに移行していくんじゃないでしょうか。
【田原】米国といえば、NewsPicksも進出しています。
【梅田】18年に「Quartz(クオーツ)」という米国のメディアを買収して、米国市場向けには18年11月よりNewsPicksのモデルをリニューアルする形で、新サービスとして提供を始めました。Quartzは、最近有料会員を始めたばかり。米国で有料課金モデルを成功させた新興メディアはまだ一社もないので、最初の例になるという意気込みでやっています。
【田原】最後に1つ。NewsPicksにはコメント欄がある。いろんな人が自由に書き込めるけど、一方でいまネットのフェイクニュースが問題になっている。その点はどう考えてる?
【梅田】コメント欄は、自由と管理の中間に軸足を置いています。たとえば公式コメンテーターである「プロピッカー制度」も、より専門的で多様性溢れるコメントが集まることで、コメント欄ないしはコミュニティの健全性を保とうとスタートしています。自由と管理のバランスは悩みどころですが、今後も安心してコメントしてもらう場を目指して、社名が表す「ユーザーの理想から始める」ことに忠実にやっていこうと思います。
梅田さんへのメッセージ:世界中のオールドメディアの常識を覆せ!
(構成=村上 敬 撮影=枦木 功)