また利用者の声を拾うこともサイト運営の目的の1つだ。携帯専用の窓口を設け、そこに入ってきた内容も日々吟味しながら会議に活用する。たとえばメールを金曜日の午前中に配信したところ、高校生の会員から「授業中にメールの着信音が鳴っちゃってイヤだった」という意見があれば、さっそく反映させる。

このような実りのある会議をするために、齊藤氏が心がけているのは、「発言者が偏らないこと」だという。

「ある企画を成功させるには、1人の案より2人の案、2人の案より5人の案というように、できるだけ多面的に考えることが必要です。社内だけで考えるより、社外の人にも参加してもらって、いろんな情報を参考にしたほうがいい」

しかし会議のメンバーのなかには活発に発言する人もいれば、あまり自分からは発言しないけれど、いいアイデアを内に秘めている人もいる。

「参加者にまんべんなく話してもらうには、『○○さん、これどう思う?』『こういう感じだったら、現場に落としたらどう?』というように、名指しで意見を求めるようにしています」

と齊藤氏。逆に散漫で冗長な発言は、「それは5W1Hで言えばどうなるの?」と具体的な案への練り直しを求めることで、ダラダラ会議を防ぐ。

「実は社員の年齢も上がってきていて、20代の出席者は1人だけ。若者の気持ちを理解するには、もうちょっと若い社員がいたほうがいいのかもしれません」

齊藤氏はそう言って笑顔を見せた。

※すべて雑誌掲載当時