その結果、普段は30~40%あるクーポン利用率が、やっと2ケタにのったかのらないかだった。そしてこの結果を再び会議にかけた。
「モスチキンのクーポンでよかったのか」「あの時期がベストだったのか」「本当は学生が冬休みの間にやらなければいけなかったんじゃないか」……。
これらの反省が、次につながるアイデアとなったと齊藤氏は振り返る。
「もう1回、改めて学生支援のクーポンをやろうと考えています。今度は外部のサイトと連携して」
音楽のヤマハに“ゴルゴンゾーラ”という携帯サイトがある。月額315円の利用料を払えば着うたや着メロのダウンロードが一定量まで無料ということもあり、ティーンエージャーに圧倒的な人気を誇るサイトだ。その“ゴルゴンゾーラ”で試しにモスチキンのクーポン券を発行したところ、モスの携帯サイトだけでクーポンを配信したときに比べ、反応は倍くらいに跳ね上がったのだ。
齊藤氏は勝因を分析する。
「どういうお客様がどういう時間帯に携帯を見ているか、細かくお客様の状況を把握するということでしょうか」
いま若者が携帯を利用する時間は、朝夕の通勤通学と、家に帰ってからの夜の時間。そのなかでも特に夜が多い。
「昨年末はモスバーガーについて、『「ぷっ」すま』をはじめ、深夜のテレビ番組で取り上げていただく機会が多くありました。そのとき一気に携帯サイトへのアクセス数が跳ね上がって、サーバーダウンを警告するレッドシグナルが出たことがあった。ということは、若い方を取り込むのであれば、若い方が使っている時間帯に、若い方が見ている携帯サイトとコラボレーションすればそれがきっちり伝わるということです」