泉佐野市は異議申し立てや訴訟も検討

前述した寄付額で、断トツの泉佐野市は「新制度に合った内容で申請していたにもかかわらず、指定を受けられなかった。なぜ、そうなったのかを今後、総務省に確認したい」との趣旨のコメントを出した。同市は異議申し立てや訴訟も検討している。

徹底して反発姿勢を貫く構えだが、はたから見ていると、少しやり過ぎの感もないではない。反対に他の3町はおとなしく総務省に従う意向を示した。

東京都が新制度に参加しなかったのは、税収入を地方の自治体に奪われる大都市の立場を重視し、それを示そうとした結果だった。

自治体が創意工夫で豊かになれる制度のはず

これまでのふるさと納税制度は、都市に集中する税収を地方に振り分ける効果があった。

地方は疲弊の連続で財政難に苦しんでいる。どこも人口が激減し、地方経済は行き詰まっている。かつて観光客や地元の人々で賑わった駅前の商店街は“シャッター通り”に変わった。若者が消え、年寄りばかりの地方都市も増えている。衰退し切った地方の活性化策として期待されたのが、このふるさと納税制度だった。

この制度によって自治体は、他の自治体と自由に競争して税収を増やすことができた。創意工夫と努力で豊かになることができる。決められたことだけを行ってきた自治体の職員が、積極的にわが町、わが村のために行動するようになった。

新制度は自治体の過度な返戻金競争に歯止めをかけるだろう。しかしその一方で自治体間の自由な競争を奪ってしまう。元来、行政には競争がなかった。それが旧制度では活気づいた。そうしたふるさと納税の良さを、安倍政権はどう考えているのだろうか。