党からは除名処分も、議員辞職はツイッターで否定
「戦争で島を取り返すことには賛成ですか、反対ですか」
「戦争しないとどうしようもないじゃないですか」
丸山穂高衆院議員(35)は、5月11日、北方四島の「ビザなし交流」の訪問団に顧問として参加し、元島民の訪問団長(89)に対し、こうした発言を繰り返した。団長は「戦争はするべきではない。戦争なんて言葉は使いたくない」と反論したが、丸山氏は酒に酔っており、取り合わなかった。
丸山氏は13日夜になって「非常に配慮を欠いていた」と発言を撤回して謝罪し、14日に離党届を提出した。だが日本維新の会は同日午後、「党として発言は容認できない」として離党届を受理せず、除名処分とした。
維新の会の代表で大阪市長の松井一郎氏は「政治家としてあるまじき行為と発言だ」と述べ、議員辞職も求めている。これに対し丸山氏は、14日、自身のツイッターで「これより先の期間は無所属にて活動する」と投稿し、議員辞職を否定している。
なぜ戦争を肯定するような国会議員が存在するのか
日本国憲法はその9条で「戦争の放棄」を掲げている。国会議員はこの憲法を尊重し、擁護する義務がある。
丸山氏は憲法を無視する発言を繰り返した。酒を飲んで酔っ払った末の不祥事だというが、国会議員としての自覚がない。問題の発言以外にも、宿舎から外出しようとしたり、大声で騒いだりして、訪問団事務局から注意を受けていた。
憲法の尊重擁護義務を知らなかったとしたら、あまりにも勉強不足だ。議員辞職を促されて当然である。後述するように、新聞各紙の社説もそろって国会議員の辞職を求めている。
それにしてもなぜ、戦争を肯定するような発言を行う、国会議員が存在するのだろうか。