「最も頭を使える環境」の作り方

実際、私が普段、最も頭を使っていることは「最も頭を使える環境を作り出すこと」。具体的に日々心がけていることは、下記の通りである。

1 身体のコンディショニング
・良質な油の摂取、栄養バランス、良質な睡眠、ストレッチなど
・情報とノイズの遮断(パソコンから離れる、テレビを見ない、新聞を読まないなど)

2 ストレスの軽減
・会う人を選ぶ
・人の多いところに行かない(満員電車に乗らないなど)

3 静謐(せいひつ)な空間の追求
・整理整頓
・雑音の遮断など
山口揚平『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』(プレジデント社)

他に、掃除も有効である。試験直前に無性に掃除をしたくなる現象を人は現実逃避だと言うが、ある東大の教授は、掃除はリエントロピー、つまり意識の凝縮であると指摘する。机や部屋が散らかっていると意識がそこにベタベタと吸着して拡散してしまうので、肝心の思考作業に割く脳の処理能力が知らず知らずのうちに不足するのである。

スティーブ・ジョブズ氏はモノがほとんど置いていない家に住んでいたことで有名だが、思考という観点で言えば、モノがない状態が一番意識を整えやすい環境であるということだ。その意味で言えば、近藤麻理恵氏の本『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)がニューヨークで大ヒットしたのもうなずける。

山口 揚平(やまぐち・ようへい)
事業家・思想家
早稲田大学政治経済学部卒。東京大学大学院修士(社会情報学修士)。専門は、貨幣論、情報化社会論。1990年代より大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わったあと30歳で独立・起業。劇団経営、海外ビジネス研修プログラミング事業をはじめとする複数の事業、会社を経営するかたわら、執筆・講演活動を行っている。
(写真=iStock.com)
【関連記事】
1日3時間労働で何不自由なく暮らす方法
頭のいい人がまったく新聞を読まないワケ
富裕層は「スマホ」と「コーヒー」に目もくれない
堀江貴文「日本人はムダな仕事をしすぎ」
"年収5000万円の税理士"が得意な外国語