「一緒に食べられる」グレープフルーツの開発が進む
さらに、今年の4月3日に報告された論文によると、195の国や地域のデータの系統的分析の結果、野菜や果物、魚や全粒穀物を食べることは長寿と関連しており、2017年における死亡の5分の1(1100万人)は劣悪な食事と関連していること、そして食事と関連する死亡の半数以上は、果物の不足のほか、ナトリウムの摂り過ぎや全粒穀物の不足に起因していることが判明したという。
グレープフルーツはじめ、果物は健康で長生きする上で欠かせない存在だ。薬を飲むときくらい水で飲めばいい、薬と一緒にグレープフルーツを食べなければいい、といえばそうなのかもしれない。
だが、一緒に食べるにはどうしたらいいかという視点からの研究も進んでいるようだ。2013年3月、ロイターは、コレステロールレベルを下げるスタチンといった、多数の薬剤との有害な相互作用を誘発しうるフラノクマリンを含む量が非常に少ないグレープフルーツが開発されたと報じた。ハイブリッドグレープフルーツの商品化を進められているとのことだが、大規模生産が行われるようになるのはいつ頃になるのか、楽しみである。
グレープフルーツは私たちの生活において身近なものであることは間違いない。健康を維持する上でも欠かせない果物の1つでもある。薬を飲む際は注意していただきたい。
山本 佳奈(やまもと・かな)
青空会大町病院 内科医
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバーザー、ときわ会常磐病院(福島県いわき市)非常勤医師。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)がある。
青空会大町病院 内科医
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバーザー、ときわ会常磐病院(福島県いわき市)非常勤医師。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)がある。
(写真=iStock.com)