「花粉症の薬」が効かなくなることもある

さらに、グレープフルーツは、小腸の細胞膜において吸収する働きをもつ「トランスポーターOATP」の機能を抑えてしまうということもわかっている。

花粉症などによるアレルギー性鼻炎や湿疹の治療に使用されるフェキソフェナジンは、CYP3A4による代謝ではなく、このトランスポーターOATPを通じて吸収される薬の1つだ。トランスポーターが抑制されると、結果として血液中に入る薬の量が少なくなり、薬が効かなくなる可能性があるというわけだ。

こうしたグレープフルーツと薬の相互作用は、長いものでは3~7日間も持続するという報告もある。相互作用の可能性がある薬を内服している間は、グレープフルーツの摂取は控えた方がいいだろう。

健康には欠かせないグレープフルーツ

だが、グレープフルーツはビタミンCやカリウムなどを豊富に含んでいる。健康には欠かせない。

2013年、ハーバード公衆衛生大学院の村木氏らは、米国の医療従事者約350万人を対象にした前向き調査の結果、グレープフルーツのほか、ブルーベリー、ブドウ・レーズン、リンゴ・ナシ、バナナを週3回摂取することと、2型糖尿病に罹患するリスクの有意な低下が関連していたことがわかったことを報告した。ちなみに、果物ジュースをよく飲むことは2型糖尿病リスクの上昇と関連していたという。果物がジュースに加工される時点で、食物繊維が減ってしまうことが影響しているのではないかと筆者は考察している。

一方、イスラエルのヘブライ大学ハダッサ医科大学のGorinstein氏らは、冠動脈バイパス手術を受けた43~71歳の高脂血症患者72人を対象にした30日間のプラセボ対照試験の結果、グレープフルーツとザボンを交配してできたスウィーティーの新鮮なジュースを毎日100mlまたは200ml飲むと、LDLコレステロールが低下したと報告している。

生の果物の方がいいのか果物ジュースでもいいのか、これについてはさらなる研究が必要だと言えるだろう。