「お店に行けば店員に、タクシーに乗れば運転手に、仕事でカンファレンスなどに参加したときは、日本人がいないテーブルについて隣の人に話しかけました」(40代・アメリカ)

英語アプリで勉強してみる

「スマホの設定を英語にする。だらだらSNSを見るのをやめて、英語アプリで勉強してみる。やれることはいくらでもあります」(30代・アメリカ)

簡単な英語を恥ずかしがらずに使ってみるという姿勢も重要だ。

「数字で50なのか15なのかよくわからなければ、『You mean five zero or one five?』」と、納得がいくまで確認しました」(40代・アメリカ)
「会議中にパワーポイントを指し示しながら、『Important Things are this…and this…』でもいい。日本の英語学習では『ダメな英語』ですが、問題視されることはないし、ジャパニーズイングリッシュで、大きなビジネスを進めている人もたくさんいます。重要なのは、シンプルな英語で話すこと」(30代・シンガポール)

中村氏の説明によれば、「海外赴任先で仕事を楽しんで、英語力が伸びる人がいる一方で、もう海外はこりごりと帰ってくる人もいる。オープンな姿勢になれるかどうかが明暗を分けます」。結局、「いろんなものに興味を持ち現地に馴染むように努めれば、相手も心を開いてくれるし、言葉も上達します」(30代・アメリカ)という声が、言語習得の一番の本質なのかもしれない。

白藤 香
SPCコンサルティングラボ所長
新市場新事業コンサルティング、多国籍人事組織コンサルティングを実施する。著書に『海外勤務が決まったらすぐ読む本』(あさ出版)など。
 

中村達也
JCM流通事業部海外事業推進室長
海外赴任経験は16年。同社編集の『海外赴任ガイド』は32年にわたるロングセラーで、毎年5万部以上の発刊実績を誇る。