こうして単語と文法を身につけたら、次はリーディングです。リーディングは「速読」と「精読」を並行してトレーニングします。速読はスピードを重視し、意味がわからなくてもどんどん読み進めます。ひたすら目を左右に素早く動かします。意識してほしいのは、頭の中で英語を日本語に変換しないことです。
一方、精読では文章を正確にじっくりと読解します。文の意味と構造を正確にとらえながら読み込んでいくことが重要です。この2つの異なる読み方を続けていくうちにどこかで融合します。
速読はまず中学校の教科書から
速読のテキストは何でも構いませんが、まずは中学の教科書や、子ども向けのペーパーバックからトライするのがよいと思います。精読には大学の入試問題(『英語長文問題精講』など)がオススメです。文章が抽象的で、かつ文の構造が複雑なものが多いので、正確な読解力を身につけるには最適です。
リーディングの力がつくと、リスニングも自然と伸びます。リスニングには英語の音を耳でキャッチする力と、それを頭で理解する能力の2つの能力が関連しています。後者の頭で理解する能力は読解力そのものですから、読解力を鍛えれば結果としてリスニングも伸びるのです。
そのリスニングも、量と質の両面から鍛えます。テープでもラジオでもテレビの英語番組でも何でもいいので耳を英語に慣らします。理解できなくても大丈夫です。一方、精聴は文の構造などを意識して正確に聞き取ります。教材はオーソドックスな英語でスクリプトのあるものであればOKです。『CNN ENGLISH EXPRESS』(CD付き)などから、関心のある記事を見つけて繰り返し聴くのがオススメです。
リスニングを上達させる秘訣の1つは、「発音記号」です。「lawとlow」「thinkとsink」のように紛らわしい発音や、「says(セイズ×・セズ○)」のように間違って覚えている発音がけっこうあるはずです。発音記号を確認し、口の形も意識して覚えることで聞き取り力がアップします。
千葉市でエクセレンスイングリッシュスクールを主宰。20代の大半を肉体労働系のフリーターとして過ごし、30歳で英語学習を始め、1年でTOEIC900点、4年で英語講師に。著書に『TOEIC TEST 英語勉強法 TARGET900』がある。