「BUT」ではなく「YES、AND」

清潔感も、周囲に配慮しているという点で、大きく差のつく要素です。

女性は特に嗅覚で男性を選ぶ傾向にあり、匂いには敏感です。清潔感のある匂いとは、石鹸の香りがふんわりするか無臭であること。女性と同じで香水のつけすぎはNGです。私がとても不思議に思うのが、一日働いた後にクラブに来る場合はシャワーを浴びる時間などないはずなのに、モテるお客様からは、ほのかな石鹸のような爽やかな香りがしてくるということです。

逆に、女性に一番嫌われる臭いは、いわゆる男脂臭(だんししゅう)と居酒屋などの油臭さ、タバコ臭です。それ以外に身だしなみで重要なのが、爪は短くしておくということ。まちがっても小指の爪だけ長く残しておくことがないように。

外見と匂いは心がけ次第ですぐに簡単に変えられる一方で、少しだけ慣れが必要になるのが会話です。

会話はキャッチボールという文字通りに、ピッチャーとキャッチャー両方の役割が求められます。とくに大事なのは、キャッチャーの役割です。女性は男性に会話をリードしてもらいたいと思ってはいるものの、一方的に剛速球を投げ続けてほしいとは思っていません。

モテる男性に共通しているのは「YES、AND」の会話です。人望のない男性や自分のいいところを見せようと必死の男性は会話で「BUT」を多用します。

「うんちく」は求められていない

たとえば、会食で肉を食べた後にクラブに来店されたお客様との会話で、考えてみましょう。

モテるお客様は「今日の肉は本当に美味しくてね。君はどんな焼き加減が好き?」とホステスに聞いた後に「レアが好きです」と返答がきたら、次のように答えます。「レアが好きなんだ。いいよね。レアだと○○な味わいが出るよね。僕はウェルダンが好きなんだ」

質問の答えに「それいいね」と肯定し(YES)、さらに興味を示します(AND)。ホステスに質問した後に返ってきたボールを、しっかりキャッチャーミットで受け止める。そして「ウェルダンが好きなんだ」というボールをピッチャーに戻すというナイスプレーです。こうすれば会話は自然に続きますし、お互いに受け止められたという思いで安心して楽しく過ごせます。キャッチボールを繰り返せばお互いの情報が積み上がっていくので、自然と親密さも積み上がっていきます。

一方で、モテないお客様は「私はレアが好きです」と答えようものなら、「でも僕はウェルダンでなくちゃダメなんだ。なぜなら……(以下、うんちく)」といった会話になるんですよね。肉の焼き加減のうんちくを話したいなら、質問されない方がまだマシです。この会話は質問の答えをスルーした(キャッチできない)上に、否定し(BUT)、さらに自分の話をする(暴投)という、三重の意味でダメな例です。