「本を読んだり、話のうまいタレントさんの話し方を分析したりして、必死で話し方を研究しました。その結果、上手な話し方にはいくつかの法則があることがわかったのです」(石田氏)

その法則は、のちほど紹介しよう。

「僕は大学時代、年間200本の映画を観るような映画オタクでしたから、話し方はうまくなかったと思います」

と言うのは精神科医の樺沢紫苑氏だ。

「でも医師になってからは、必ず年に2回、学会で発表することを自分に義務付けて、5年間実行しました」(樺沢氏)

樺沢氏によれば、「“話が苦手だ”と言う人に限って、うまくなろうという努力をしない。だから永久に上達しないまま」なのだという。

「なにごとも日頃の準備が9割。しっかり準備して練習すれば、必ずうまく話せるようになります」(同氏)

たとえばプレゼンをしなければいけないのに、「人前で話すのはイヤだ」という意識があると、資料づくりや読み上げ用の原稿の作成に時間を費やしてしまう。声を出して話す練習こそしなければならないのだが、気が重いのでほかの作業に逃げてしまうのだ。

また3人に共通するのが、「話は短いほうがわかりやすい」という意見だ。

千本氏は、ビジネスの提案や交渉に関しては「いかに話を整理しておくかが重要」だと言う。

「重要人物ほど忙しいのですから、結論を先に聞きたがるのは当たり前。相手が何を欲しがっているのかをとことん考えて、効果的な一言を切り出すことです」(千本氏)