「仕事して寝る。人生はそんなもの」
一説によると、ゴッホは10年という短い画家人生において、約2000枚もの油絵やスケッチを描いたといわれています。1年あたり、200枚もの作品を描いていたというゴッホは、疲れを感じることなく次々と絵を描き続けていました。ゴッホはテオへの手紙で、こうも述べています。
「毎日は、仕事、仕事で過ぎていく。夜はへとへとになってカフェへ行き、そのあとはさっさと寝る! 人生はそんなものだ」
このゴッホも、前述のロバート・デ・ニーロと同じく、いわば「世の中とはそういうものなのだ」という「前提」を踏まえたうえで、自分を責めず、常に「自分を励ます」ための心構えを持っていたと考えることができます。
「自分が悪いわけではない」
人間、生きていればさまざまなストレスに直面するものです。自分自身に自信を失い、自己肯定感がなかなか持てなくなることもあるでしょう。しかし、「自分」という存在を支え、励ましていくためには、「自分のせいだと思わない」考え方も大切です。
もちろんこれは、「責任の放棄」「責任の転嫁」といったような問題とは別次元のもの。あくまで自分のメンタルを守っていくために必要な「心の持ちよう」を示すものですが、「自分が悪いわけではない」と考えることは、別にずるいこと、悪いことではけっしてない。生きていくうえでの“賢い知恵”といえるのではないでしょうか。
教養総研(きょうようそうけん)
「教養」に関するさまざまなトピックスを世に発信する小集団。これまで世に出た優れた教養・自己啓発書を日々物色し続けている。
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(写真=iStock.com )