「東日本大震災を機に改元したほうがよかったか」

このような現状を踏まえると、「元号廃止!」と切り捨てることも、「西暦禁止! 元号のみを使用!」とすることも、まずありえないし、また、あってはならないと思われる。

『元号と日本人』プレジデント書籍編集部(著)、 宮瀧交二(監修)

無理にどちらかに一元化する必要はないであろう。便利な形で双方が使われていけば問題ない。「どちらも使いたい、場合によって使い分けて、好きなほうを使えばいい」というのが多くの国民の心情であり、何か強制されるべきものではないはずである。

それに、元号法が存在するものの、元号はもっと自由でいいと私は思っている。古代の元号のように、2文字にこだわらなくても、また、読みやすさを優先しなくても、そして、頻繁に改元してもいいかもしれない。

たとえば、「東日本大震災が発生しましたが、時機を見て改元したほうがよかったと思いますか」とアンケートを取ったとしたら、未曽有の災害からの復興を願って、あるいは心機一転の出直しという意味で、「改元したほうがよかった」と答える人たちは決して少なくないと思われる。その意味で、現在のような制限のある元号法は、今後の時代の流れと国民意識の変化にともなって見直されていく可能性もあると思っている。

時代によって、人々の元号に対する捉え方はどんどん変わっている。白か黒かの議論ではなく、その時代にふさわしい元号のあり方を考え続けていくことが、重要ではないだろうか。

宮瀧 交二(みやたき・こうじ)
大東文化大学文学部歴史文化学科 教授
1961年、東京都生まれ。立教大学大学院文学研究科博士後期課程から埼玉県立博物館主任学芸員を経て、現職。専門は、日本史・博物館学。博士(学術)。NHK「ブラタモリ(大宮編)」に出演。元号についての講演に多数登壇。
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(写真=iStock.com)