W杯や五輪開催で期待される主な分野は、「建設」「ホテル」「警備」「小売り」「鉄道」「金融(外貨両替)」「放送」などだ。私が具体的に注目したい銘柄としてピックアップしたものは表のとおり。1株当たりの利益を示すPER(株価収益率)、1株当たりの会社の純資産を示すPBR(株価純資産倍率)、配当利回りなどを勘案して選んだ。
これから注目される期待の銘柄として挙げられるのは、成田空港で低手数料の外貨両替を行っている「マネーパートナーズグループ」だ。キャッシュレス化の遅れている日本ではまだ日本円が必要だ。本業のFX(外国為替証拠金取引)は為替相場に大きな動きがないため取引低調で株価は低水準にある。PBRが1を切ると割安といえるが、同社は0.77倍と、かなり割安だ。また配当も前期は年8円(2.5%)、今期中間では、前年同期より1円増配の3.5円を配当している(株価などはすべて18年12月12日終値)。
空港の施設利用料や免税店の運営が収益源の「日本空港ビルデング」は、訪日客数の増大で業績が安定しており、長く付き合える銘柄ともいえる。PERが9.9倍と割安、予想配当利回りは1.11%と高くはないが、3月期末に羽田空港内などの店舗で利用できる株主優待券がもらえる。W杯の半月~1カ月前頃にはテーマ株として注目され、買われる場面もありそうだ。
今話題の自動通訳機「ポケトーク」を販売しているソースネクストも注目だ。世界70言語以上に対応しているIoT通訳機。使用するにはネット環境が必要で、空港ではWiFiルーターとセットで1日2000円程度でレンタルできるそうだ(グローバルSIMモデルのレンタルは2日で2000円程度)。
成田空港から都心への移動で利用される「京成電鉄」、会場への移動や観戦ついでの観光で需要が増す東海道新幹線を保有している「東海旅客鉄道(JR東海)」も株価は高値水準にあるが、注目したい。
W杯の日本での放映権を取得している3社のうちの1社「J SPORTS」関連銘柄として、スカパーJSATHDがある。年間配当18円(3.4%)、PBRも0.7倍と割安でおすすめだ。